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年収の壁の小話 etc 奥田

2023.10.11|
労務系

秋めいてまいりました。今週のブログ担当は奥田です。

今回は、9月後半から世間を騒がせている「年収の壁」の小話をひとつ。

 

年収の壁の緩和の話、突然こんな時期に発表されて、混乱される方も多かったことでしょう。

とくに年末に向けて、扶養の方は出勤時間を調整する時期ではないでしょうか。

130万円をとびぬけても2年までなら扶養で居続けられるよ、とした今回の改正、

そもそもどこからこんな話がやってきたか、ご存知でしょうか。

 

それは、9/21に開催された、「第7回社会保障審議会年金部会」でのことです。

ここで、扶養の方に向けた問題(日本の労働力が足りないということや、パートの労働時間が減少していること)が展開された模様です。

興味あればこちら。⇒https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/001148321.pdf

社会保障審議会というのは、社会保険に関する重要事項を調査・審議することを目的とした会議のことで、

定期的にいろいろな方面の議論がなされており、バックナンバーを見るのも興味深いです。

 

HOTな話題は「年収の壁」ですが、ひとつ前に開催された「第6回社会保障審議会年金部会」も面白かったので、中身を共有しようと思います。

 

第6回の審議事項は、「遺族年金」制度だったようです。

そこで問題視されたのは、「遺族年金の受給者に、男女格差があること」。

 

そうなんです。年金って、男女格差がいまだにたくさんあります。

とくに遺族給付は、その典型で、「寡婦年金」という、完全女性限定の年金があるくらいです。

 

 

興味のある方は更にリンク先の資料をぜひご覧いただきたいのですが、↓

https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/001138911.pdf

 

資料がなかなか面白いのが、諸外国の遺族給付との比較がなされています。

とくに心に残ったのは、

遺族給付で男女格差があるのは、先進諸国では日本だけという事実。

しかも、遺族給付において、男女格差が解消された年というのが。。。

 

フランス 1971年

アメリカ 1983年

ドイツ 1985年

スウェーデン 1988年

イギリス 1999年

 

つまり、21世紀に入るまでに解消されているんですよね。

日本は、イギリスが解消されてから20年以上経過したというのに…。

 

年収の壁問題でも述べられたように、扶養からはずれ、フルタイムで働く女性を増やしたいというのが狙いなのですが、

給付ではいまだに男性が働き、女性が家庭に入るというパターンが根強く残っています。

 

こういった不都合を変えられるといいな、私自身固定概念に当てはめられないようにならなければと思った今日この頃でした。

 

 

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