こんにちは、小林陽です。
ゴールデンウイークも終盤に差し掛かった昨今、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
緊急事態宣言の無いGWは3年ぶりだそうですね。多少遠出される方もいらっしゃるでしょうね。
今回のブログでは、小林家が過ごしたとある1日をレポートします。
やって来ました、とある公園。水が流れる小さな川のある公園。
遊具は無くても、チョロチョロ流れるサイズの川があれば十分。
小さい魚やオタマジャクシを拾うのが目的です。
雲ひとつない晴天。大通りからも離れた某公園。機械音ゼロ。BGMを一手に担うのは鶯、ホーホケキョ。
川遊び用の網とカゴを手に、1人川の上流へ進む上の息子。
シャボン玉を吹きながら、ゆっくり兄へ着いて行く妹。
川面を覗く2人。流れが無いからか、川の最下部にはめぼしい生き物がいません。
少しずつ上流へ登って行く2人。
2人の差が広がっていくのは、兄の足が速いのか、妹の足が遅いのか。多分両方。
徐々に流れが速くなっていく川、石が集まってその流れを堰き止めている箇所に行き着いた兄。
「ここならなんかいそう」そう期待して再び河面に顔を近づける兄。
川の横、少し開けたところに広げたテント。最初に靴を脱いだのは妹。
すぐに腰を下ろし、じゃがりこに舌鼓。川に何しに来た。
「いた!」の声とほぼ同時に、兄は網を川にもぐらします。「パパ!」
呼ばれてすぐに駆けつけ、網を覗きます。ピチピチ動くのは一体。
エビでした。ヌマエビ。ほぼ透明な体。何本もある足をジタバタ動かす姿が可愛い。
カゴに入れた記念すべき1匹目。カゴの中でジタバタ動くヌマエビを見つめる兄。開く瞳孔、半開きの口。
一方妹は、自分の持つカゴに入っているてんとう虫を「可愛い」と見つめます。
捕まえたのがパパだと言う事実は忘却の彼方。片手にはしっかりじゃがりこ。
ヌマエビを捕まえて気を良くした兄。コツを掴んだか、同じ箇所で立て続きに3匹ゲット。
ヌマエビよりさらに機敏に動く何かを見つけるも、ほとんど姿を現さず断念。ポイントをさらに上流へ。
またさらに上のところ、なんとなく“いそう”なところにしゃがみこみます。
川に沈む土の下から泡が出ているのを見つけ、「何かいる」と踏んだ兄はそこをじっと見つめます。
川を覗く、真剣な眼差し。
妹もたまに覗きに来るも、その手にはじゃがりこの小袋。てんとう虫はテントでお留守番。川に何しに来た。
兄の予想は当たっており、その「何か」がようやくご挨拶。
ザリガニでした。鋭いじゃないか兄よ。
とはいえそのザリガニ、ほとんど土から上がって来ません。網ですくうのは至難の業。
なんでも、他の子供達は割り箸にスルメイカをくくりつけ、それを“釣竿”にして釣り上げるんだとか。
流石にそこまでの準備は無く、水面を覗いては網を入れる兄。網にかかるのは、濡れた落ち葉と土だけ。
「じゃあ、じゃがりこをエサにしてみたら?」
エッジの効いた案を切り出すママ。「スルメが無いならじゃがりこで」釣れそうと思えるポイントが1つも
見当たらない案ですが、まぁやらないよりはマシでしょうか。
妹の持つ小袋からじゃがりこを2本取り出すママ。半ギレの妹をよそに、そのじゃがりこを砕いて川の中へ。
果たして。
ザリガニは来ませんでした。全く出て来ませんでした。たまにガサガサ動く様子は見せますが、
それはじゃがりこを投入する前から同じことでした。効果全く無し。
そりゃそうですよね。川に存在しない「ジャガイモ」を、川に存在しない「油」で揚げたお菓子です。
他の生き物も、気にするそぶりすら見せません。
無機質に漂うじゃがりこの欠片。
損したのは、2本取られた妹。そして「油」で揚げたお菓子で川を汚された小さな生き物たち。
ごめんなさい。代わりに謝ります。
ザリガニ捕りに見切りをつけた兄。4人でテントに腰を下ろし、お菓子タイム。ホーホケキョ。
妹はただフラフラ歩いていただけなのに、人一倍お茶とお菓子が進みます。ホワイ。
「ひや!」妻の悲鳴。
「◎$♪×△¥●&?っ!」
余程ビビったか、この世に存在しない言語で何かを訴える妻。きっと何かの虫をみつけたのでしょう。
テント入口付近を泣きそうな目で見る妻。
成人女性が日本語をまともに喋れなくなる程のデカい虫がテントに入ったようには見えませんでしたが、
妻に合わせてテント入口付近を見てみます。
いました。
アリが。ちょっっっとだけ大きめの。
お菓子の匂いに導かれたか、アリがテントに「お邪魔します」。本当に邪魔なので、ご退室いただくことに。
テントの足元には、妹が食べこぼしたじゃがりこ。
じゃがりこが効果を発揮したのは、ザリガニではなくアリでした。エッジの効いた皮肉。
きっと、川を汚した報いでしょう。お天道様は見ているんですね。
雑音が無く、ホーホケキョだけがハッキリと耳に入って来る公園は、本当に気持ちの良い空間でした。
次来るときは、鶯は蝉に変わってるんでしょうね。
「夏にまた来ようね」と約束して、私たちは公園を後にしました。
こんな公園も休日も、楽しいもんです。
最後に白状します。
この世界に確かに存在する「因果応報」という真理を、常人には想像できない方法で教えてくれた妻を
見る私の目は、確かにニヤついていました。